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アスペルガー症候群の夫と離婚したい方へ

Asperger's syndrome

アスペルガー症候群の夫と
離婚したい方へ

夫のアスペルガー症候群が原因で、離婚を考える妻が増えています。離婚問題に精通する弁護士が、アスペルガー症候群の特徴やアスペルガー症候群の夫を持つ妻の特徴、離婚になった際の注意点について解説します。

アスペルガー症候群とは

アスペルガー症候群は、近年注目を集めている発達障害の1つです。
当事務所へご相談される方の中で、

  • 「夫とコミュニケーションがうまく取れない」
  • 「会話が成り立たない
  • 「全く空気を読まない発言が多い」
  • 「夫が自分の気持ち、やりたいことを理解してくれない

ということを仰る方がいらっしゃいます。
まずは、アスペルガー症候群の夫の特徴を見ていきましょう。

アスペルガー症候群の4つの特徴

対人関係の障害

人間関係の構築にトラブルを抱える方が多いです。

これは、相手の気持ちを想像したり、空気を読んだり、
一般的な暗黙の社会的ルールを理解することが苦手であることが理由です。

また、自分の感情を表現したり、自らの言動が相手にどのような印象を与えるかを想像することが苦手な人も多く、
その場の雰囲気に合わない行動を取ってしまうこともあります。

コミュニケーションの障害

アスペルガー症候群は、知的能力の発達に遅れがあることはありませんが、
言葉の使い方が独特であるため、他人との意思疎通が難しい場合があります。

例えば、難解な言い回しを使ったり、文脈や間接的表現を読み取ることが苦手で、相手の発言通りに受け取ったり、
ユーモアやお世辞、皮肉を理解することが難しかったりします。

パターン化した興味や活動

臨機応変な対応が苦手な傾向にあります。
予想外の事態に直面すると、不安になったり、パニックを起こしてしまうこともあります。

また、物事の一部に拘ってしまい、全体像を把握することが不得意な人もいます。
対人関係の障害が合わさることで自分一人でいることを好む人もいます。

学力的には非常に高い

高い記憶力や集中力を持っている人もいます。

興味があることには何時間でも集中して取り組み、
単純作業や反復作業も厭わずにやり抜くため、特定の分野で他人にはできないような業績を上げる人もいます。

 

カサンドラ症候群に悩む女性が増えています

夫がアスペルガー症候群であることから、精神的、情緒的な相互関係を築くことが難しく、
心的ストレスから不安障害や抑うつ状態などの心身症状が起きてしまう状態を、カサンドラ症候群と呼びます。

昨今、当事務所を訪れるご相談者の方にも、自らその症状ではないかと思われている方が増えてきています。

カサンドラ症候群の3つの特徴

睡眠障害

カサンドラ症候群の1つとして、睡眠障害があります。

当事務所に相談にいらっしゃる方にも「夫との関係に悩み眠れない」と訴える方は多いです。

抑うつ状態

睡眠障害と併せて、夫との関係性に悩むあまり、抑うつ状態を訴える人もいます。
具体的には、「気分が落ち込んで何にもする気になれない」、「憂鬱な気分」などの心の状態が強くなり、
気分の落ち込みが特に朝、強くみられ、憂鬱で悲しい気持ちになります。

自己肯定感の低下

夫との関係性がうまくいかないのは自分のせいではないのか、と自分を責め、
自己肯定感が極端に下がってしまう症状も見られます。

 

離婚を決める前にした方がいいこと

夫とのコミュニケーションがストレスとなり、苦しんでいる、悩んでいる女性が増えています。

アスペルガー症候群の人は、相手がどう思うかを想像することが苦手なので、
他人を傷つけてしまうことが多く、それらは身近にいる家族奥様に一番向かってしまうのです。

しかし、アスペルガー症候群だけを理由に離婚をするのは難しいので、まず、下記について考えてみて下さい。

カウンセラー・アドバイザーに相談する

前述のように、アスペルガー症候群を夫に持つ女性は、
「カサンドラ症候群」にも陥りやすく、うつ状態になりやすくなっています。

第三者、専門家に相談することでご自身の悩みを整理することにもつながりますので、一度専門家に相談してみてください。

アスペルガー症候群を個性と捉える

アスペルガー症候群を抱えている家族を、理解するのは難しいかもしれませんが、
その特性や対応を認識することで憤りやストレスが軽減されることがあります。

「空気を読む」などが苦手とされる特徴がありますが、ある特定の分野などでは優れた能力を発揮します。

なかなか難しいとは思いますが、一つの個性性質と捉えてみてください。

 

アスペルガー症候群の夫と離婚するための2つのポイント

夫がアスペルガー症候群というだけでは離婚できません

ご主人がアスペルガー症候群である場合、話し合いが難航する傾向にあります。

しかしながら、「アスペルガーで話が通じないから」というだけでは
「婚姻を継続しがたい理由」にはあてはまりませんので、これだけを理由に離婚をすることはできません

離婚するために必要な「離婚事由」

離婚に必要な事由には、

  1. 不貞行為(浮気・不倫)
  2. 悪意の遺棄(生活費を渡さないなど)
  3. 3年以上の生死不明
  4. 強度の精神病にかかり、回復の見込みがない
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由がある 

の5点のいずれかがなければいけません。

アスペルガーは強度の精神病とは認められないため、
この場合は、別居をすることで「婚姻を継続しがたい重大な事由」を充填することになるでしょう。

 

アスペルガー症候群の夫に対して慰謝料請求できる?

アスペルガー症候群を慰謝料請求の直接的な理由をすることはできません。ただし、アスペルガー症候群が間接的要因となって夫婦関係か破綻した場合には、ケースに応じて慰謝料を請求することが出来る場合があります。

慰謝料請求できるケース

アスペルガー症候群による離婚事由が難しいことと同様、
ご主人と話し合いができない、コミュニケーションが取れないからといって、慰謝料を請求することは難しいでしょう。

しかし、そのことがきっかけとなって、夫婦間のコミュニケーションに問題が生じ、
暴言やモラハラに近い言動が起きた場合など、複合的な要素として判断される可能性もありますので、
弁護士にご相談下さい。

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丸の内ソレイユ法律事務所は2009年創業。

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代表弁護士の中里妃沙子をはじめ、弊所に所属する弁護士全員が離婚や男女問題に関する相談に精通しております。

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