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財産分与とは
財産分与とは、婚姻中に夫婦が協力した築いた財産を分けることをいいます。通常、夫婦が離婚に向けて別居を開始すれば、それ以降は夫婦の協力関係が消滅したと評価することができるため、別居開始時点を基準時として、基準時点における財産を双方が開示して、それを合算したものを2分の1ずつ分ける、というのが基本です。
財産隠しをされた?
ところが、いざ開示された配偶者の財産を見ると、思っていたよりもずっと少ない、ということがあり得ます。具体的には、「半年前の会話では、預金は1000万円以上あるって言っていたのに、なんで300万円しかないの?」
「●●証券からの郵便物がうちに届いていたはずだけど、証券口座の開示がない」
「夫は●●銀行の通帳を持っていたはずなのに、●●銀行口座の残高の開示がない」
「夫は●●生命の保険に入っているって言っていたのに、財産一覧表の中に●●生命保険が入っていない」
などといったことが起こり得ます。
財産を隠された際の対処方法
このような場合、まずは、「●●銀行の口座があるはずだから、開示してください」などときちんと主張しましょう。基本的に、裁判所は、各人が自ら財産情報を適切に開示すべき、と考えているため、自発的に財産開示をしない、というのは、裁判所からの印象が悪くなります。ですので、当事者がこのような主張をすれば、裁判所としても、きちんと開示をするように相手方に促してくれるはずです。
それでも相手方が財産資料を開示しない場合には、調査嘱託の申立てをしましょう。これは、「●●銀行●●支店に財産があるはずなので調べてください。」という趣旨の申立てを裁判所にすると、裁判所が直接金融機関等に対して、基準時点における相手方の財産の有無やその金額等を調査してくれるというものです。そこで開示された残高があまりに小さく、直前で多額の金銭を引き出したことが疑われるような場合には、残高のみでなく、数年間分の取引履歴を開示させることもできます。
もっとも、裁判所としても、探索的な調査嘱託を認めることはできませんので、「どこかの銀行に夫の口座がある気がする!」という程度の申立てでは、調査を実施してもらうことはできません。調査嘱託の申立てをするためには、どの金融機関のどの支店なのかまで特定する必要があります。この点については、日頃から、配偶者がどの金融機関のどの支店に口座を有しているのか、どの証券会社を利用しているのか、どの会社の保険に入っているのか等、配偶者の財産の所在の把握に努めることが重要です。近年では、種々のオンライン化に伴い、金融機関からの郵便物はすっかり減ってしまいましたが、それでも金融機関等から何か郵便物が届いているような場合には、とりあえず写真を撮影し、その金融機関等を把握しましょう。
なお、調査嘱託手続が可能なのは、基本的に訴訟段階の話です。調停手続においても調査嘱託の申立てができないわけではないのですが、通常は、調査嘱託の申立てをするのであれば、訴訟に行ってくれ、と言われてしまうことが多いです。
まとめ
相手方がどのくらいの規模の財産を有しているのか、ある程度把握していなければ、そもそも財産隠しがされたのかどうか、それすらわかりませんよね。そして、全くわからないからといって、闇雲に「もっとあるはずだ!夫は財産を隠している!」などと主張しても、それを裏付ける根拠資料(例えば、相手方が開示していない金融機関の通帳等)がなければ、裁判所は取り合ってくれません。
結局のところ、配偶者との離婚を意識したその時から、配偶者がどこの銀行のどの支店に口座を持っているのか、どの証券会社を使っているのか、どの保険に入っているのか等、配偶者の財産のありかの把握に努めることが、財産隠しに対する有効な対策となります。
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