日本での離婚の効果は、当事者の本国でも認められるの?
問題は、当事者の本国で協議離婚の制度がない場合に、とくに日本で日本法により成立した協議離婚について、当事者の本国でも離婚の効力が発生するかです。国によっては協議離婚の制度のない国があるのです。
そこで、予め、大使館、領事館などに問い合わせをし、日本での離婚の効果、とくに協議離婚の効果が本国においても有効かどうか、有効にするために必要な手続きにはどのようなものがあるか、調べておきましょう。
日本法に基づいた協議離婚の効果を本国に及ぼすことができない場合には、調停、裁判をおこし、離婚が成立した後、それぞれの国に届出をすることになります。
外国での離婚判決の効果は、日本に及ぶのですか?
たとえば、相手方が留学して外国に住んでいる間に外国で離婚手続きを始めてしまった、あるいは相手方が外国人の愛人とその外国に移住してしまい、その国で離婚手続きを始めてしまった、といった場合、突然国際郵便で訴状が届くことがあります。
そのままにしておいたら、判決が届くこともあります。
このような場合、どのように対処したらいいでしょうか。
外国判決の効力
まず、外国判決の効力からご説明します。
民事訴訟法118条は、確定した外国判決が日本において効力を有する条件として以下の4つを挙げています。
① 外国裁判所に管轄権があること
② 敗訴の被告が訴訟の開始に必要な呼び出し又は命令の送達(公示送達をのぞく)を受けたか、受けなかったが応訴したこと
③ 判決の内容及び手続きが日本における公序良俗に反しないこと
④ 相互の保証があること
日本において、外国での離婚判決の効力を争う場合、本来であれば、上記の要件を争うことになります。
知らないうちに、日本の戸籍に離婚の記載があった⁈
ところが、日本の戸籍実務では、仮に上記4つの要件を欠いていた場合であっても、実質的審査権限を有しないことを理由に、訳文のついた一方当事者の本国での判決謄本があれば、離婚届を受理しているのです。
このように、離婚届が受理され、戸籍に離婚の記載がされてしまった場合に離婚を争うには、離婚無効確認訴訟を日本で提起する必要があります。
外国から訴状が送られてきた段階ではどうしたらいいの?
では訴状が送られてきた段階では、どのような対処をしたらよいでしょうか。
この場合、①応訴する、②応訴せず欠席判決を待つ、の2つの選択肢があり得ます。
応訴する場合とは、答弁書を提出したり、あるいは外国に出かけて裁判に出席し、当該国で離婚裁判を行うことです。この場合、弁護士を探すこともスムーズにいかないでしょうし、また費用もかさむことが予想されます。応訴しない場合には、欠席判決がでます。欠席判決によって外国で離婚が認められたとしても、その判決が最終的に日本で効力を有するとは限りません。日本国内で争うことも可能ですし、上記のとおり戸籍に離婚を記載されてしまった場合には、離婚無効確認訴訟を提起して争うことも可能です。したがって、費用やその他訴訟遂行の難易度や経済性も考え、応訴しないで欠席判決を待つ、という選択もあり得ます。
ただし、外国判決の全てが日本で効力を否定されるとは限りません。ですので、離婚を争いたい場合には、日本での離婚に比べ費用がかかる可能性があるのですが、裁判が行われる外国で弁護士を探し、対応することも視野に入れた方がいいでしょう。
離婚無料相談実施中

- 離婚の話し合いをするに当たって、直近ですべきことがわかるようになります
- 将来の経済的な生活設計(経済面、子どもの養育面など)を視野に入れた上で、
ご相談者様にとって最適の方法をご提案します。 - ご相談者のお話を丁寧に聞き、「心」の満足を得ていただくことができます