男性が親権を得る条件について教えてください。
<質問>
ネットで情報を検索すると、男性側で子どもの親権を獲得するのは非常に難しいと聞きました。私としては、子どもは妻よりも私になついているように思っていますし、経済的にも余裕があります。どのような条件が揃えば、男性でも、子どもの親権を獲得できるのでしょうか。
<回答>
親権について、男性からのご相談には上記のようなものがありますが、まず、「親権」ですが、2つの原則があります。
①母性優先 ②継続性 の2種類です。
「イクメン」と呼ばれる方々が登場したことで、①の母性優先についてはだいぶ社会全体が変化してきました。
しかしながら、それでも基本的には女性の方が親権を取りやすい、という考え方をお持ちの方は多いと思います。
ここでは、男性が親権をとるにはどうしたらいいか、ご説明します。
おおむね二つの方向があります。
一つ目は、妻自身の監護能力にすごい大きな問題がある場合ですね。例えば、妻のほうが子どもに対して日常的に暴力をふるったり、暴言を吐いたり。最近では、ネグレクトといって、全然世話をしない状態である場合などもあります。また、妻が強度の精神病にかかってしまい、自分自身の日常生活もままならない場合とか、奥さんのほうで子どもの面倒を見るのは無理だなと思える事情がある場合には、夫のほうに親権がいくことがあります。もちろん、夫に問題がないことが大前提ですが、夫のほうに来るというはあります。
一方、妻側にまったく問題がない状態について男性側が勝とうと思うと、結構ハードルは高くなります。例えば、いわゆる専業主夫(「夫」のほう)で、妻が外に働きに出ているような場合は、可能性としてはあると思われます。
というのも、もともと、子どもの親権者、監護権者が、それまでの養育監護の実態、どちらが主体となってお子さまを世話してきたかということが、大きな割合を占めている事実となります。どれだけそれまでに子どもの養育監護をしてきたか、男性側が証拠資料を持って、「毎日食事を作って、洗濯をして、部屋の掃除をして、ミルクあげたりしてがんばってきました」と、「母子手帳も男性が書いてきました」など、そのような事情をそろえ、何らかの資料の形で裁判所にわかってもらうというようなことになれば、親権を獲得できる可能性自体はゼロではないと思います。普通の事例に比べれば、高いほうになるんじゃないかなとは思います。
ただし、小さい子で女児だったりすると、それでもお母さんの方というような判断をされますので、実際のところは結構難しいのと、あとは証拠資料ですね。こちらがなかなか。もともと離婚争いをしようと思って結婚生活をするわけではないので、結婚期間中の実態がわからないということも多くて、そういった資料収集というのは結構難しいことになってまいります。
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