目次
財産分与の対象は?
では、財産分与はどのようなものが対象になるでしょう。
夫婦が持っている財産は以下の3つに分類することができます。
①夫婦が婚姻中に築いた財産(共有財産)
②夫婦の一方が婚姻前から持っているか、夫婦の協力関係なく得た財産(特有財産)
③①か②かが明らかでない財産(実質的共有財産)
このうち、財産分与の対象となるのは①及び③であり、②の特有財産は財産分与の対象とはなりません。
「通帳の預金」は財産分与の対象になる?
財産分与の対象となるのは、結婚後、離婚するまで(離婚に先立って別居を開始していた場合には別居時)の間に増えた預金ということになります。
なお、時々、「私たちは共働きで預金もそれぞれが自分の名義でしていたので、その預金は共有財産ではないですよね」という質問をされることがありますが、二人で一緒に貯めていたという認識がなくても、婚姻期間中に貯めた財産は共有財産となりますので、財産分与の対象となります。
一方、結婚前にすでに貯めていた預金は、前記の分類でいうと②に当たりますので、財産分与の対象とはなりません。また、相続で得た預金も同様です。
但し、離婚訴訟や財産分与の審判手続きで、一方当事者が特有財産であることを争う場合には、特有財産であることを主張する側が、これを立証することを求められ、立証ができない場合は共有財産として扱われることになりますから、注意が必要です。
預金が「特有財産」であることの立証とは?
では、預金が、結婚前から持っていた、あるいは相続によって得た特有財産であることを立証するためにはどうすればよいでしょうか。
結婚前から持っていた預金や、相続で得た預金を他の生活費と混同せずに、特定の口座に預け入れられているような状況であれば、相続財産としての立証は比較的容易です。
一方、相続で得た預金を結婚後の生活費口座に入金したり、結婚前の預金があった口座をその後生活費口座として使用し、日々入出金があるような場合は、その口座全体が共有財産として扱われる可能性が高くなります。
例えば結婚前に、300万円の預金があった口座を、結婚後、給与振込口座、生活費の引き落とし口座として使用し、長年に渡り入出金が繰り返され、財産分与の基準日時点で、残高が500万円になっていた場合、当該口座の名義人としては、500万円のうち300万円は特有財産で、共有財産は200万円のみだと言いたいところです。
ところが、実際は、婚姻期間中に様々な支払いに充てられたり、引き出されたりした預金が、結婚後毎月振込まれていた給与(共有財産)からなのか、結婚前からあった預金(特有財産)からだったのかは誰にもわかりませんから、特有財産の立証ができていないと判断される可能性が非常に高くなります。そうすると、結論として、この口座の預金全体が実質的共有財産とされ、500万円が財産分与の対象になることになります。
婚姻期間が長くなると、結婚前の預金額自体が分からなくなっているケースもあり、銀行に問い合わせても10年以上前の預金額は記録が残っておらず、そもそも特有財産がいくらであるかを主張することも難しくなることも多いのが現状です。
ですから、まだ決断はしていないけど、いずれ離婚することを念頭に置いているというような方は、将来の紛争に供えて、証拠となる情報を集めておくことをお勧めします。
まとめ
このように、預金のうちどの範囲が財産分与の対象となるかについては、原則的な考え方のほかに、立証の問題もあり、一言で簡単に答えが出せない部分もあります。
ご自身に結婚前からのまとまった預金があり、離婚時に財産分与の対象になってしまうのではないかと心配されている方、配偶者の持っている預金を財産分与で受け取ることが出来るか不安をお持ちの方は、丸の内ソレイユ法律事務所には、離婚案件の経験が豊富な弁護士がそろっております。
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